市民講座環境とアレルギー  シリーズ第1回 夏のアレルゲン
国立病院機構相模原病院臨床研究センター 安枝浩先生

ダニはアレルギーの最大原因のひとつ
わが国で夏に最も問題となるアレルゲンはダニです。世界中に数万種類がいるといわれているダニの中で、アレルギーの原因になる主なものはハウスダストの中にいるチリダニ科のヒョウヒダニという種類のダニです。このダニは人を刺したりはしませんが、死がいやフンの中に含まれるダニのタンパク質がアレルゲン(アレルギーの原因物質)になり、喘息や鼻炎などのアレルギー症状を引き起こします。

ダニは蒸し暑いのが大好き
ヒョウヒダニは高温多湿を好み、梅雨時から秋口にかけてよく繁殖しますので、アレルゲンもその時期に多くなります。
  家の中がダニのアレルゲンにどれだけ汚染されているのかは、その家の住宅構造や住んでいる人の生活様式によって大きく異なってきます。高気密化されていて、冬でも暖かく湿度が高ければ、夏だけでなく1年を通して汚染は高いレベルに維持されますし、ハウスダストがたまりやすいカーペットやぬいぐるみなどが家の中にたくさんあり、掃除が不十分であればあるほどダニアレルゲンによって汚染されます。

ダニ量の測定方法
 ダニのアレルゲンによる汚染は目で見ることはできませんが、布団や床から掃除機でハウスダストを集めて、その中に含まれるダニアレルゲンの量を酵素免疫測定法という方法で測ることによって汚染のレベルを正確に知ることができます。この測定は専門の研究検査機関でしか行うことができませんが、おおよその汚染のレベルを知ることのできる簡易測定キットも市販されています。このキットは一般の人でも取り扱うことができる簡単なものです。

ダニの除去と回避
 
ダニによるアレルギーを起こさないため、あるいは症状の悪化を防ぐためには、室内の環境整備をして汚染のレベルを下げる必要があります。環境整備の基本は、掃除、換気の徹底と、カーペットなどの除去、高密度織物でできた防ダニ布団カバーの使用です。これらの方法をしっかりと行って実際に汚染のレベルを下げることができると、ダニに感作されにくくなる、喘息発作が起きにくくなる、というようなことが実証されています。

注釈 :米国において防ダニカバーなどによるダニの除去が喘息の症状を改善することの科学的証拠(エビデンス)は示されていますが、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎については確実といえる証拠はまだありません。


<提供>
 


<ダニのメス>

<ダニのオス>

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