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総合司会 |
宮本昭正氏((財)日本アレルギー協会理事長) |
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挨 拶 |
奥田 稔氏((財)日本アレルギー協会会長) |
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基調講演1 |
遠藤朝彦氏(東京慈恵会医科大学耳鼻科講師) |
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基調講演2 |
佐橋紀男氏(東邦大学薬学部生物学教室教授) |
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パネルディスカッション |
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司 会 |
伊藤幸治氏((財)日本アレルギー協会関東支部長/同愛記念病院特別顧問) |
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内 科 |
前田裕二氏(国立相模原病院アレルギー・呼吸器科医長) |
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小 児 科 |
勝沼俊雄氏(国立小児病院アレルギー科) |
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皮 膚 科 |
遠藤朝彦氏(東京慈恵会医科大学耳鼻科講師) |
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眼 科 |
高村悦子氏(東京女子医科大学医学部眼科助教授) |
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植物分類・形態学 佐橋紀男氏(東邦大学薬学部生物学教室教授) |
アレルギーと正しく向き合い、かかりつけ医と二人三脚でアレルギー性疾患を克服しようと、第7回アレルギー講演会(主催:(財)日本アレルギー協会関東支部/(財)日本アレルギー協会、共催:アレルギー情報センター/アベンティスファーマ(株)、後援:厚生労働省、(社)日本医師会、日本アレルギー学会)が2月17日、東京ヤクルト・ホールで開催された。IgEの発見を記念し発足した、アレルギー週間の全国啓蒙活動の一環として、今年は「アレルギーの克服に向けて、花粉アレルギーを考える」を主題に、6つの講演と質疑応答が行われた。
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奥田稔・(財)日本アレルギー協会会長の挨拶、各科のアレルギー臨床のエキスパートによる講演に続いて、パネルディスカッション「花粉症を含むアレルギー疾患について〜患者さんからの質問に答えて〜」に移り、約500人の参加者との間で熱のこもった質疑が交わされた。その要旨を紹介する。 |
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日本アレルギー協会会長
奥田 稔 氏 |
日本アレルギー教会理事長
宮本昭正 氏 |
●基調講演1:花粉アレルギーのメカニズム、症状、疫学、治療法を探る
東京慈恵会医科大学耳鼻科講師
遠藤 朝彦 氏
花粉症とは、植物の花粉(雄性細胞)が原因で起こるアレルギー性疾患をいう。発症原因となる花粉で最も頻度が高いスギ花粉は、直径30〜40μmで、細胞表面にオービクル(2μm程度の小粒子)とパピラ(突起)が存在するが、パピラはヒノキ花粉には存在せず、両者を識別するポイントとなっている。花粉粒子のサイズなら、気管・気管支には吸入されないが、オービクルは吸入される。
アレルギー反応は、アレルギー素因を持つ人の体内に抗原が侵入して抗体を産生し、抗体が肥満細胞(マストセル)表面の受容体と結合したところへ改めて抗原が入ってきたとき、肥満細胞の表面で抗原抗体反応が起こることから始まる。この過程で肥満細胞が破壊されて化学伝達物質やサイトカインが放出され、鼻の場合には、くしゃみ、鼻汁、鼻閉の症状を引き起こす。花粉症では、鼻のみでなく、目、咽喉頭、気管・気管支、皮膚などに多彩な症状が発現する。
この発症の過程には、アレルギー機序のほかに、神経系やホルモンなどが関わっており、遺伝、アレルギー反応に加えて、環境因子が果たす役割も大きい。
鼻汁が花粉外皮を破壊
アレルギー反応の特徴の一つに、反応の二相性がある。すなわち、抗原が侵入して10数分後に第一相の反応が起こり、それがいったん治まった4〜8時間後に第二相の反応が起こる。鼻の場合の第二相反応は鼻閉の形で起こる。
花粉の外皮の構造は、酸性に対しては強くアルカリ性には弱い性質がある。このため、食道を経て胃に入るとほとんど消化されないが、鼻汁とくにアレルギー性鼻炎の人の鼻汁は生理食塩水よりアルカリ性であるため、これに触れると花粉が破壊されて中の異物が放出される。
一方、鼻粘膜の表面には、正常な状態だと繊毛が整然と並んで異物を排除する機能を果たすが、乾燥した冷気や大気汚染物質、消毒剤、防腐剤などの刺激性物質に長時間触れると損傷して脱落する。その場合には、異物は細胞間隙を通過して生体内に容易に侵入できるようになる。
林業地帯に少ない発症者
われわれは昭和20年代以降、種々の環境の地点においてアレルギー性鼻炎に関する調査を行ってきた。調査地点を農漁村、小都市、工業都市、大都市に分けて有病率
(アレルギー性鼻炎患者数÷全対象者数×100)と対比すると、小都市、工業都市、大都市における有病率はそれぞれ農漁村の2倍、3倍、4倍、という結果を得た。しかるに、抗体保有者に対する発症者の比率(有症率)との対比では、工業都市の有症率が最も高く、次いで大都市、小都市、農漁村の順であった。
また、大都市の中心部とそこから10数kmの距離にあるスギの林業地帯で行った住民健診の結果から、市街地では抗体保有者中に発症者が多く無症状者は少ないのにひきかえ、林業地帯では抗体を保有していても発症者は少なく無症状者が多いことが明らかになった(図1)。
飛散しない時期にも発症
一般に、スギ・ヒノキの花粉飛散数と花粉症患者の発症数が相関することが知られているが、実際には、花粉が飛散しない時期にも花粉症の症状の出現が高頻度に認められる。われわれは、花粉症の患者さんに1月1日から治療せずに我慢して頂き症状スコアを記録した(図2)。それによると、花粉が飛散しない時期にいったん、花粉の飛散時期と同様の大きな症状が出現することが認められた。その原因は、花粉以外の、乾燥冷気やインフルエンザ、上気道炎などの影響と推察される。花粉シーズンの後半にも、やはり花粉飛散数に比例しない、何らかの影響による症状が残る。
われわれの診断では、花粉飛散前の花粉以外の原因による発症例の大半は、乾燥性眼炎と乾燥性鼻前庭炎であり、その症状はくしゃみ、鼻汁、鼻閉、目のかゆみである。この症状を花粉症と捉える場合には、抗アレルギー薬治療が行われるであろうことは想像に難くない。しかし原因が異なるので、こうした治療は効果が得られない。乾燥冷気や感染症対策を含めた生活指導が治療の成否を分ける。

診断は原因の確認から
花粉アレルギーの治療で、最も大切なことはアレルギーの原因を確認し、正確な診断をすることである。
われわれの調査によると、発症している人の37%が医療機関を受診せずに放置しているが、一方、花粉の飛散時期以前の生活環境の調整、免疫療法(減感作療法)、早めに抗アレルギー薬を服用する初期治療などの組み合わせを適切に行うことにより症状を確実に抑えることができることも実証されている(図2)。特に免疫療法を組み合わせた場合には、1年後では薬を使わずにシーズンを乗り切れた患者さんは少ないが、2年目、3年目にはほとんどの方が薬を使わなくても生活に支障のない状態を維持できるようになっている。
症状を放置せず、医療機関を受診して頂けるよう、われわれも患者さんの信頼を得られるような医療の提供に一層の努力をしなければならないと思っている。 |